内部留保=現金ではない

希望の党の政策の1つに「企業の内部留保に課税する」というものがあります。
内部留保を余っている現金と勘違いしているのでは?と思います。
少しでも会計をかじったことがある人なら、内部留保への課税がいかにおかしいかについてわかります。
おかしい点は2つあります。

二重課税になる

そもそも、内部留保という単語は会計上はありません。
利益剰余金が該当します。
利益剰余金は、過去の純利益(税引き後)の積み重ねの勘定科目です。
ここで、明らかなように法人税を払った後の利益の集合体が利益剰余金です。
そこに課税するのは、二重課税になります。

内部留保は現金じゃない

内部留保は、名前のイメージから「会社の内部に保有している現金」を思い浮かべる方もいるかもしれません。
内部留保すなわち利益剰余金は、余った現金じゃないです。
あくまで利益の集合体です。
利益と現金はズレがあるため、利益剰余金=現金とはなりません。

簡単な例を示しましょう。
A商品を20万円で仕入れて、100万円で売れたとします。
A商品を売ったことによる利益80万円を得ることになります。
そして、その80万円を使って新しい機械装置を購入しました。
そうすると会計上の利益剰余金はどうなるでしょうか?

会計仕訳を書きます。

まず、A商品を20万円で仕入れ時の仕訳

借方)A商品 20万円 貸方)現金 20万円

そして、A商品を100万円で売った時の仕訳

借方)売上 100万円 貸方)A商品 20万円
                               貸方)利益  80万円

さらに、80万円で機械装置を購入した時の仕訳

借方)機械装置 80万円 貸方)現金 80万円

以上、3つの会計仕訳となります。
この結果、手元に残るのは80万円の機械装置のみとなります。現金は0円です。
しかし、利益は80万円出ています。

利益と現金はズレがあるのです。

もし、ここで利益剰余金(今回で言うと、80万円の利益)に対して課税するとなると現金がないので払えないのです。

内部留保に課税なんてナンセンスですね。このように、利益剰余金はあっても、現金でないケースはザラにあります。

内部留保を減らすには

内部留保を現金だと勘違いしている方は、「内部留保を社員の給料に回せ」と言います。
残念ながら、内部留保すなわち利益剰余金を減らすには自社株買いか配当しかありません。
⬆︎の恩恵を受けるには株を持っていなければなりません。
要は労働者のままではダメってことです。株主になり、資本家になることが必要です。

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